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2025.08.25

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?

## SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?

 

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、日本を含むアジアの一部地域で発生する感染症で、主にマダニによって媒介されるウイルス感染です。この病気は、感染した人や動物に対して重篤な影響を及ぼす可能性があります。SFTSの認識が高まりつつある今、正しい知識を持つことが感染予防や早期発見に繋がります。この記事では、SFTSの概要、マダニの役割、犬や猫、人間への感染経路、さらにはマダニにかまれた際の対処法について詳しく解説します。

 

### SFTSについて

 

#### SFTSの定義

 

SFTSは、SFTSウイルスによって引き起こされる感染症で、主にマダニによって感染が広がります。この病気は、高熱、血小板減少症、白血球減少症などの症状を引き起こし、重症化する場合は致命的な結果をもたらすこともあります。2009年に初めて報告され、以来、日本や中国、韓国などで感染者が確認されています。

 

#### SFTSの症状

 

SFTSに感染した場合、以下のような症状が見られます。

 

1. **発熱**:感染の初期症状であり、突然の高熱が特徴です。

2. **全身の倦怠感**:体のだるさや疲れを感じることが多く、日常生活に支障をもたらします。

3. **消化器症状**:食欲不振、腹痛、下痢などが現れることがあります。

4. **出血傾向**:血小板が減少するため、皮下出血や鼻血などの出血症状が見られることがあります。

 

これらの症状は、感染後1週間以内に現れることが多いですが、個々の症例によって異なるため、注意が必要です。

 

### マダニの役割

 

#### マダニの生態

 

マダニは、主に草原や森林、竹林などの自然環境に生息しており、主に動物の血液を吸って生活します。一般的には春から秋にかけて活動が活発になり、多くの場合、体毛のある動物や人間に寄生します。特に湿度が高い地域や環境が彼らの生息には適しています。

 

#### 感染のメカニズム

 

SFTSウイルスは、マダニの体内で繁殖し、血液を吸う際に宿主に感染します。具体的には、マダニが血液を摂取する際に、その唾液中に含まれるウイルスが宿主に注入されるのです。この時のウイルスの量や宿主の免疫力によって、感染の程度が異なると言われています。また、マダニにかまれた際に、特に気をつけなければならないのは、かまれた部位からの二次感染です。そのため、マダニがいると予想される場所では特に注意が必要です。

 

### 感染経路と影響

 

#### 犬への感染経路

 

犬はSFTSに感染することがあります。マダニが犬に寄生し、感染することにより、犬もまたSFTSウイルスを保有することになります。犬から人間への感染は、直接的な接触を介して行われる可能性があるため、特にアウトドア活動が多い家庭では注意が必要です。例えば、犬を連れて山や森林に行く際には、マダニの忌避剤を使用し、帰宅後は体をチェックすることが大切です。

 

#### 猫への感染経路

 

猫もまた、マダニを介してSFTSに感染することがあると言われています。犬と同様に、猫もマダニからの寄生によって感染します。猫におけるSFTSの感染症状は、主に食欲不振や発熱が観察されます。飼い猫が外に出ることが多い家庭では、マダニ対策を行うことが、猫の健康を守るために重要です。また、猫が感染した場合、人間への感染リスクも少なからず存在するため、注意が必要です。

 

#### 人間への感染経路

 

人間がSFTSに感染する経路の主な要因は、マダニの咬傷です。山や森、草地など、マダニが生息する場所に行くことで、感染リスクが高まります。また、感染した動物の血液や体液、さらには感染者との接触を通しても感染する可能性があります。具体的には、感染者の体液が傷口に入ることで二次感染が生じることがあります。したがって、マダニが生息する地域に行く際は、特に十分な対策を行うことが肝要です。

 

### マダニにかまれた場合の対処法

 

#### 初期対応

 

マダニにかまれた場合、まずは冷静になることが重要です。かまれた部位は清潔にし、傷口を洗い流すことが大切です。消毒液やアルコールでしっかりと清潔にして、その後は適切な処置を講じます。さらに、できる限り早くマダニを取り除くことが必要です。この際、引っ張ったり圧力をかけたりしてマダニを取り除くのは避け、専用のピンセットを使用することが推奨されます。

 

#### 医療機関の受診

 

マダニにかまれた後、特に発熱や倦怠感、出血症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。症状が軽微な場合でも、早期に専門医の診断を受けることで、SFTSを含む他の感染症を鑑別することができます。早期発見により、適切な治療を行うことができるため、健康を守るための大事なステップとなります。

 

### 結論

 

SFTSは非常に深刻な感染症ですが、予防策を講じることと正しい知識を持つことで、リスクを軽減することが可能です。特にマダニの活発な時期には、屋外活動を行う前に徹底した対策を行い、自らの健康を守ることが求められます。また、犬や猫も感染のリスクがあるため、家族全体の健康を考慮に入れた対策が重要です。万が一、SFTSに感染した場合でも、早期の対応がその後の症状や合併症を予防する重要なカギになります。正しい知識を持ち、適切に対処することが、SFTSから身を守るための第一歩となります。

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